第25章 進級と遭遇
「名前ちゃん何食う?」
『期間限定のやつかなー』
「何種類かあるけど」
『右端の、たまごとチーズ入ってるやつ』
「じゃあそれ買っとくから席取っといて、飲み物は?」
『お茶、ポテトのセットで』
「おっけー!」
苗字が高尾に頼み席を探すと、窓際の2人席が空いていた
黒子もよく似たような席に座っていたなと当時を振り返りながらその席に座り待っていると、器用にトレイ2つを運ぶ高尾がやってきたのでこっちだよと手を振る
「お待たせ!ポテト揚げたてだったわ!」
『やったー!食べよ食べよ。はいお金』
「え、奢るつもりだけだったんだけど」
『いいからはい。受け取って』
小銭を彼の前に置き、代わりにトレーを受け取って食べ始める
ストロー使ってお茶を飲みながら周りに学生が多いせいか、なんだか中高生の頃に戻ったみたいだと考える苗字を高尾は楽しそうに笑いながら見ていた
「なんかこうしてると中高生に戻ったみてーだな」
『あ、同じこと思ってた』
「大学生ってもっと大人な気がしてたんだけど、なってみるとそうでもねぇんだよな」
『多分それ、いくつになっても同じこと考えると思うよ』
カリカリのポテトを食べながら会話する。ポテトを食べている高尾が苗字にナゲットを1つ差し出す
食べろと言うことかと理解した彼女は受け取り、ソースに付けて口に入れた
こちらも揚げたてらしく美味しいと次のポテトに手を伸ばそうとすると、楽しそうに笑っている高尾がもう1つナゲットを差し出しながら問いかけてくる