第25章 進級と遭遇
『ごめん邪魔しちゃった?』
「いや、ちょうど切り上げるとこだったんだわ」
『そうなの?』
「この間伊月さんの大学と練習試合やったんだけど、伊月さん強くてさー」
『そっか、伊月さん…っていうか誠凛にウィンターカップ以来会ってないな』
「マジ!?まーでもオレも秀徳の先輩たちには2月以来会ってねーな」
『最近じゃん』
「たまたま休みあったから、みんなで脱出ゲームやってきた」
『へー、楽しそうだね』
「おう!今度赤司と行って来たらどーよ」
『…征十郎そういうの強いからなあ』
「悩むとかなさそうだもんな」
『そこまでじゃないと思うけど』
彼女の脳裏ではクイズ研のスタンプラリーが思い出されるが、高尾の脳裏ではまるで未来が見えているかのようなの赤司が思い浮かぶ
運もおは朝も味方につける彼の事を思い出しながら汗を拭い終えた高尾はボールなどをバッグに仕舞い、肩に掛けた
「名前ちゃんさえ良ければメシいかね?」
『え!行こ行こ!』
「赤司大丈夫?嫉妬しねぇ?」
『大丈夫だと思うけど一応連絡しておく』
こちらからのメッセージに未だ既読が付いていないが、そこに「和成とご飯行ってくるね」と短いメッセージを送る
既読はつかないが赤司ならば快く送り出してくれるだろうと、スマホをスリープモードにして仕舞った
「どこ行く?」
『どこでもいいよ。マジバでも』
「マジバでいいか」
『行こいこー』
「つーか名前ちゃんと2人で会うの久々じゃね?」
『高校生以来かもね』
「そーだよな、なんか懐かしいわ」
『そうねー…懐かしいなあ』
妹の現状や最近のバスケの話をしていると昔苗字と高尾が一緒に行ったマジバに辿り着く
食べながら雑談や、勉強している制服姿の学生たちを見て懐かしい気持ちを抱きながら彼らは混雑し始めている注文窓口に並んだ