第24章 動物園
「名前」
『うん。送ってくれてありがとう。家着いたらメッセージ送って』
「キスしてもいいかい?」
『急すぎない?聞くだけマシだけど』
「人はいないよ」
『そう…ドウゾ』
改まってそう言われるとなんだか恥ずかしいと顔を俯かせたが、頬に手を添えられて唇が重なる
ふと中学生の時にもこんなことがあったと、彼が帰る直前に許可を出していないにも関わらずキスされたことを思い出した
何秒か重なったそれは赤司の意思によって離れていく。気が付けば苗字の顔は暗くても分かるくらい赤くなっており、それをみた彼が笑う
「真っ赤だね」
『…オウチ、カエル』
「ああ。おやすみ」
『家着いたら連絡ちょうだいね』
「分かった」
熱い頬に手を当てながら赤司に手を振り、姿が見えなくなったところで家に入る
自分からも両親に赤司と付き合っていることを報告した方が良いんだろうかと悩みながら、今日もらったプレゼントを開ける
赤司からもらったプレゼントの中にはピンク色の口紅が入っていた
どこで選んで買ったのか彼女の中で気になったが、せっかくもらったものだし今度のデートでつけていくかと、ドレッサーの一番手前にそれを仕舞いはにかんだ