第24章 動物園
そんなバレンタインから半月、短期バイトをしたり出かけたり、あと1ヶ月で春休みが終わってしまう事実に頭を抱えてながら日々を過ごしていた
とある日、寝る前にベッドでゴロゴロしていると持っているスマホの画面がいきなり切り替わり、着信 赤司征十郎と表示される
何事かと電話に出ようとすると、手を滑らせ苗字の顔面にスマホが落ちてきた
「寝てたかい?」
『…起きてた。ビックリして顔面にスマホ落とした』
「ああ、痛そうだね」
『うん…ところで何の用事だった?』
「ああ、ホワイトデー部活休みだったよ」
わざわざそれを伝えるために電話してきてくれたのかと、強打した鼻を擦る苗字が「へえ?」と返事をする
喜んでいるように聞こえない彼女のいつも通りの対応に赤司が笑いながら、今日の伝達事項の後にあった雑談を彼女に話し始めた
「コーチの娘さんがバレンタインに見事彼氏が出来て、ホワイトデーにおうちデートするから居座って邪魔するそうでね
監督はお返しとして魔法少女なりきりセットを買いに行くそうで、休みになったよ」
『…征十郎のとこの監督とコーチ、面白い人だね』
監督が娘さんとバレンタインもチョコを作ると言っていたのは先月の今頃のこと
大学回りで電車で移動する際に雑談で話したが、監督の娘さんはまだ小さいらしく初めてのバレンタインだったそう
そりゃあ一緒に作って1番に食べたいだろうと、微笑ましい光景が目に浮かんだと当時抱いた感想を思い出していると黙っているのが気になったのか、電話越しで赤司が首を傾げた