第23章 チョコを配ろう
どんどん赤くなっていく彼女を見ながら赤司が笑い、頭を撫でる
『…あやされてる?』
「いや、可愛いなと」
『追い打ちかけなくていいよ』
頬に手を当て、嬉しそうに笑っている赤司を見つめる
直してほしいところはないが、逆に彼は何か思っているかもしれない
付き合いが長いから今更変えられるか分からないがあるなら努力しようと苗字がまた彼に問いかけた
『…征十郎も、直してほしいところとかない?』
「直してほしいところはないね。ただ。」
『ただ?』
「黄瀬とくっつきすぎるのはやめてほしいと思ってたんだ。昔からね」
『あー…そーだよね、ごめん』
「…でもそれも、もう心配なさそうだ」
キョトンとしている彼女を赤司が見つめる。誰が彼女を好いてるかなんて中学の時から分かっていた
当時は別に黄瀬がくっついているのを何か言える立場ではなかったし、言える立場になったとしても今更言うのもどうかと思っていたので黙っておいた
だが先月遊園地に行った際、観覧車の中で虹村が何か言ったのか少し態度が変わったのは目に見えて分かる
彼らの誰かが奪うなんて思ってないし、逆の立場なら奪おうなんて思わない
自分も彼女が別の人を選んだ時幸せなら、それでいいと思ってただろうとほほ笑む
「年齢が1つ違うだけで、どうしてこうも違うんだろうね」
『なんの話?』
「なんでもないよ。見終わったら帰ろうか」
『帰る前に、1か所寄っていい?』
「予想はついてるよ」
『ふーん?』
最初から渡しに行きたいと言っていなかった時点でなんとく予想はついていたらしい
彼らは手を繋いだままイルミネーションを見て、駅を出る際最後の人物へとメッセージを送った