第23章 チョコを配ろう
「なぜカップルがイルミネーションを見に行くか知ってるかい?」
『やってるからじゃないの?』
「暗いところで光を見ると、親密度があがるそうだよ」
『へー…』
その理論で言うと2人の親密度が上がっているはずだが、よくわからないのか首を傾げる
他のカップルもこんな会話しているのだろうかと苗字が耳を澄ますが、そんなことはなかった
「名前とは一緒にいる時間が長いから、いざ恋人らしい会話をしようとすると難しいね」
『そうね、付き合い長いからね』
「付き合ったらこうしたいとかないのかい?出来る限り叶えるつもりだが」
『今のところないよ。一緒にいられるだけで別に』
「本当に?嫌なところとかないかい」
『むしろ今更そこ直してって言われて変えられる?』
「難しいかもしれないね」
『まあ一緒に住んだりしたら、また違うのかもしれないけど』
口にした瞬間、彼女の頬が赤く染まる
首まで赤くなる様子を見ている赤司もその発言が予想外だったのか目を見開き、何回か瞬きをした
『違う!一緒に住みたいわけじゃない!』
「そうなのかい?」
『住みたくない…わけでもないけど…マダイイ…』
言った通り一緒に住みたくないわけではない
ただ今改善してほしいところがなく、将来的に一緒に住んだりしたら出て来るかもしれないなと思っただけでと、心の中で弁解をしながら苗字が下を向いた