第23章 チョコを配ろう
2人で歩き出す。紙袋の中にはまだチョコが何袋か残っているが、予備もあったので電車の中で苗字から聞いていた行きたいところには行けた
本来あとは帰るだけだが、先ほど黄瀬が言っていたイルミネーションが少し気になる彼女は赤司が興味があるか、行きたいか分からない
だがせっかく黄瀬が提案してくれたのでと、彼に話しかける
『イルミネーション、行ってみる?』
「…実は元々行こうと思ってたんだ。だから黄瀬を最後にしたんだよ」
『そうだったの?』
「ああ。もう少し暗くなるまでお茶でもしようか?」
『同じこと考えてお茶してる人たくさんいるんじゃない?』
「名前と一緒なら何でも構わないよ」
照れる様子もなく言う赤司に苗字が照れてしまう
だから黄瀬を最後にしたのかと納得しながら今日何度目かわからない頬の熱を下げ、校門を潜り駅に向かう途中にカフェがあった
『駅近くだと混んでそうだし、ここにする?』
「名前がいいならいいよ」
『…お茶しよっか』
「ああ。ケーキも付けよう」
『カロリーオーバーじゃない?』
「夜押さえればいいさ」
雑談をしながら日が落ちるのを待っていると、同じことを考えているのか男女の2人組が入店してくる
自分たちも周りからカップルに見えているんだろうかと、若干照れている苗字を赤司が優しい眼差しで見つめていた