第4章 目覚めた彼女
『そう言えば…夜木君と朝日奈君は?』
ポツリと彼女が聞いたのは黒子と火神が2年になった時入ってきた1年生の名前で、彼らはそこまでもう覚えている事に驚いたのか目を見開いた
そしてそれに連絡をとっていた降旗が返事を言った
「何か今日も練習らしくて…違う時に来るってよ」
「練習熱心だなーアイツら」
「当たり前だろ、I.HとWCの出場権賭けてんだからな!!」
『さつきちゃんからもらったDVD見たらすごかったなぁ…退院したらちゃんと間近で見たい…』
そうポツリ呟いた苗字の頭を今度は水戸部がなで始め、小金井が彼女に「いつでも呼んでくれればしてやるって!」と通訳をした
それに虹村が「なんで分かんだ」とツッコむとみな同じ事を思っていたのか頭をコクコクと上下に動かしているものが大半だった
それからしばらく会話が続くと、火神が何かを思い出したのか「あ」と声を出して荷物を漁り始めた
「そーいや苗字お前この間マカロンとかケーキとか食べたいっつってたろ」
『え、もしかして作ってきてくれたの?』
「今春休みで暇だからな、とりあえずマカロンとクッキーと、シュークリームな。ケーキは退院祝いに一緒に作ろうぜ」
「うわ火神の女子力たけぇ!!」
「これを火神が作ったなんて認めたくねぇ…」
「菓子ってめんどくせーな、こまけーし膨らまないやつもあるしよ…」
『でも作ってくれたんでしょ?ありがとー!』
そう笑った苗字はベッドから下りて、冷蔵庫から飲み物を出し紙コップも人数分出して注ぎ始めた
そして「みんなで食べましょ」と笑って、火神からのタッパに入ったお菓子を食べるために蓋を開けた