第23章 チョコを配ろう
続いてやってきたのは黄瀬の大学
ひたすら電車やバスを使って移動をし、歩いたため日が傾き始めている
苗字的にはもう少し早く来る予定だったが赤司が「最後」と言ったのでその通りにしたところ、到着すると苗字の予想通り彼が駆け寄ってきた
「なんでオレ最後なんスか!黒子っちも青峰っちもみんなオレに自慢してくるからそわそわしてたんスよ!」
『いや、征十郎が順番決めてて』
「赤司っち!」
「色々考えてるんだよ」
唇を尖らせ不満を訴える黄瀬の後ろではモップ掛けが始まっていた
朝から練習しているのであれば切り上げてもいい時間
1年生の彼はやらなくていいんだろうかと不思議に思いながら苗字が黄瀬に問いかける
『もう練習終わり?』
「練習はもう終わりっス
けど自主練しないと!赤司っちにもみんなにも勝ちたいんで!」
「そうか、負けてられないね」
「そんな風にデートばっかしてたらオレが勝っちゃうっスよ?」
『いや付き合ってからは初めてのデートだけどね』
「え?」
「好きとは言われたが、付き合ってるといっていいか分からなかったからね」
『…そうね、すべてにおいてタイミングが悪かったね』
消えたり忘れたりを繰り返したのが良くなかっただろうと考えている苗字の両手を黄瀬が掴んだ
急なスキンシップに驚いている彼女の後ろで赤司がどういう心情なのか、なんとも言えない表情をしていると苗字の手を掴んだまま黄瀬が大声を出す