第23章 チョコを配ろう
「もう休憩終わりかい?」
「そうだな。そろそろ終わりなのだよ」
『大学ではわがまま聞いてもらってるの?』
「融通を利かせてもらってるもらってるだけだ」
『それ秀徳でいうわがままだから』
そんなケラケラと体育館の出入口で話している赤司と苗字が気になっているようで、ちらちらとこちらを見ている人がいる
もちろん視線を感じ取っている2人は長居するつもりはない
休憩が終わりそうな雰囲気に赤司がお暇しようと、隣にいる彼女に視線を送った
「じゃあ次のところに行こうか」
『そうね、次どこ行く?紫原?』
「高尾のところがいいかな」
『じゃあ和成のところ行ってくるよ』
「ああ、行ってくるといいのだよ」
『あ、そうだ。テツヤがよろしくって』
「何をだ」
『さあ?じゃあ練習頑張ってね』
「今度将棋でも打とうか、しばらく打ってないだろう」
「…望むところなのだよ」
中学生以来そのやり取りは見ていないなと苗字が懐かしんで2人を見る
『じゃあね緑間!練習頑張って』
「言われなくともやるに決まっているだろう」
先ほど黒子にしたように手を振る彼女を見た緑間がフッと笑い去っていく
昔に比べ大きくなった彼の後ろ姿を見送ってから、赤司と苗字は来た道を戻り始めた