第23章 チョコを配ろう
『みっどりまー!』
到着し体育館に到着すると、ちょうど休憩に入ったところらしくドリンクを飲もうとする緑間がいた
他のメンバーよりも背が高く目立つ髪色のおかげですぐ見つかり、苗字が声を掛けるとジト目の彼が早足で出入口にやってくる
「何しに来たのだよ」
『バレンタインチョコ渡しに来ただけだって、はい』
「…赤司連れてか?」
「ただのデートだよ。名前1人じゃ不安じゃないか」
『幼児か何かだと思われてる?』
大学だって1人で行けるしもう来年成人式を迎えるんだがと考えつつ、赤司の持つ紙袋からチョコを取り出した彼女は緑間に差し出した
数秒間それを見つめた彼はドリンクを持っていない右手で受け取る
テーピングを外している彼の指を見るのは久しぶりだな、なんて苗字は考えていた
「礼を言うのだよ」
『ちなみに今日のラッキーアイテムはどこに置いてあるの?』
「あそこだ」
彼の指さす先を見るとネットを張られたステージの奥ににモニターとパソコン本体、キーボードとマウスがセットになって置かれている
どうやってここまで持ってきたのか、抱えて来たのか気になるがまあ抱えて持ってきたんだろう
チームメイトの反応も気になるがもう1年近く一緒にいるし慣れているようだ