第23章 チョコを配ろう
そうして普段苗字が通っている大学に辿り着く
慣れた道を案内し体育館に辿り着くと、練習中のため休憩に入るのを待つか悩む
そんな彼らに気が付いた部員が駆け寄ってきた
黒子を呼んでほしいと頼むと部員が彼を呼ぶと名前を呼ばれた黒子が振り返り、手を振っている苗字と横にいる赤司の姿に驚いたのか目を見開いてから、彼も駆け寄ってきた
「練習中すまないね、怒られないかい?」
「大丈夫です。2人でどうしたんですか?」
『バレンタインチョコ渡しに来ただけなんだ。こっちはさつきから』
「…ありがとうございます。まさかわざわざ来てもらえるとは」
『本当は練習終わりくらいに来ようと思ってたんだけど、ごめん色々あって』
黒子の視線が赤司の持つ紙袋に移る
苗字が持つと言っているのに奪い取った大きな袋には、先ほどもらったのと同じチョコが入っているのが保冷バックの中から見えていた
数的にこれから配りに行くんだろうと一目見て分かるそれに、もらってすぐ練習に戻るのもと考えた黒子が問いかける
「これから配りに行くんですか?」
「ああ。とりあえず次は緑間の学校かな」
『今日のかに座のラッキーアイテムがデスクトップパソコンだったから、それ楽しみに行ってくる』
「はい。緑間君にもよろしく伝えてください」
『うん。練習中にごめんね、頑張って』
「赤司君と名前さんも、気を付けてください」
『ありがとう、またね』
すぐに黒子はラッピングされたチョコを持って駆け出す。自分のカバンに仕舞い振り返ると、仲良さそうに苗字と赤司が去っていくのが視界に入った
慣れ親しんだその後ろ姿に黒子は微笑みながら練習に戻ろうとすると、キセキの世代の主将かつ洛山で前代未聞の3年間主将を務めた赤司が現れたからか、チームメイトがざわついていた