第23章 チョコを配ろう
『ごちそうさま。美味しかったよ』
「焼いただけなんだが」
『焼くだけでも出来ない人っているからね』
お皿を片付けながら脳内でレモンを丸ごと使ったレモンの蜂蜜漬けを作った人物が2人思い浮かぶ
彼女たちは成長したのだろうかと過去の苦い記憶を思い出しながらお皿を洗い終わり戻ると赤司が待っていのか話し始めた
「さて、本題に入ろうか」
『チョコ?』
「そうだね、それもそうなんだが」
『とりあえずあげようか?』
「…もう少し可愛くくれてもいいんじゃないか?」
『いや家だとシチュエーションがちょっと…』
緊張感も何もなく申し訳ないが冷蔵庫にしまってあるチョコを取りに行こうと苗字が立ち上がる
すると、赤司を手をあげ彼女の動きを止めた
「じゃあちょうどいい。出かけよう」
『ちょうどいいって何?』
「デートに誘おうと思ったんだ。まだちゃんとしたデート、したことないだろう?」
『…は』
彼の言う通りデートらしいデートはしたことがないが、それならばもっと早く言ってほしいと考え、制止され彼に下げた腰をもう一度あげた
『…着替えてくる』
「そのままでも出かけられそうだが?」
『デートなんでしょ。おめかししてくる。待ってて』
「…!」
驚いた表情をする赤司を見た苗字はそのまま扉を閉め自室に向かう
とはいえ火神と大晦日にデートした時ほど余裕はない
相手を待たせているからと急いでメイクし、髪にアイロンを通し、その作業をしながら服を選ぶという効率の良さでなんとかいつもと違った姿になることができた