第23章 チョコを配ろう
バレンタイン当日、1限が既に始まってる時間に目を覚ます
すっかり春休みボケしてしまっているなと考えながらリビングへ足を進めると、朝刊を読みながらコーヒーを読む赤い髪が苗字の視界に入った
「おはよう名前」
『おは…え?なんでいるの?待って部活は?午前中あるんじゃないの?』
「監督が娘さんとチョコ作るのに買い物行くそうで昨日休みに変わったんだよ」
『そういう大事なことは連絡してよ』
「すまない。失念していた」
『それにしても何時起き?来るの早すぎない?』
「可愛い彼女からのチョコが楽しみで早起きしてしまった
朝早いけど雨さんが入れてくれたよ」
『ねえ最近大丈夫?言動から心配になるんだけど』
もう旧知の仲だがさすがに寝起きを見られるとは、苗字は顔が浮腫んでないか頬を触る
いや泣き顔も見られているし、なんなら入院した際すっぴんも見られているが、さすがに髪も梳かしてないしまずいのではと今更手ぐしを通していた
「顔洗っておいで、待ってる間にパン焼いておくよ」
『うん。両面焼いといて』
自分の家のように冷蔵庫を開け調理を始める赤司を横目に洗面所に行き顔を洗って身だしなみを整えて戻ると、彼が焼いたトーストが既に出来上がっている
こんなこと京都でもあったなと思い出しながらお礼を告げて彼女はトーストを食べ始めた
「京都でもフレンチトーストを作ったね」
『同じこと考えてた。征十郎ご飯食べたの?』
「家で済ませて来たよ」
『そっか』
サクサクと食べ進めていく苗字を満足そうに笑顔で見ている赤司をなんだコイツと思いながらトーストを食べ終え、彼女は口元を拭いた