第22章 おでかけ
『ちょ、ちょっと征十郎』
押し倒されたのだと理解し、流石にまずいと焦りつつも顔が熱くなる
何とか起き上がらせようとするが返事もないし起き上がる様子もない
しょうがないので彼女は横に移動し、赤司の下敷きになっている状態から抜け出すが彼が動く様子はなくて当然だった
『…寝てる?』
そりゃあそうだ。彼が寝たのは苗字が入院している間のうたた寝した時間と昨日苗字が見つかった後だが、そもそも帰る時間が遅かったのに彼はクリーニングに出してくれたり遊園地を計画したりしていた
黒子が言っていた夜通し起きてた状態という単語を思い出し、何とも言えない感情が彼女に湧いてくる
『~もう!』
とりあえず彼に布団をかけてあげ、チョコのストラップとヘアピンとミサンガは失くしたら嫌なのでカバンの中に仕舞うことにした
写真立てには既にみんなで黒子の誕生日にストバスに行ったときの写真が入っており、櫛はこれから使おうと決める
代わりにハンドクリームと赤いリスを仕舞い、クローゼットからオレンジ色のマフラーを取り出した
彼と、高尾とお揃いの微妙な関係のマフラーを
『…はーあ』
身の回りの物を整理して待つこと30分、彼はようやく目を覚ます
起きた時に彼が「体が痛い」と言ってたので「早く帰って寝な」と素早くご帰宅いただき久々の楽しいお出かけは幕を閉じた