第22章 おでかけ
とりあえず腹も膨れたと彼らは帰ることにする
駅に着くと火神はまだ食べ足りないからと青峰と紫原とご飯に行くと言い、黒子と青峰に送ってもらう桃井も同行することにしたようだ
高尾と緑間はこのまま初詣行ってくるとどこかに消えていき、虹村は勉強するからと帰っていく
「送ってくよ」
『いつもごめんね、ありがとう』
ご飯に行っても良かったがまだ記憶が戻ってから帰れていないので、とりあえず1回家に帰りたい気持ちの方が勝ってしまった
赤司も彼女を送るため帰ることにし、2人並んで歩き始める
『京都以来じゃない、一緒に帰るの』
「彼氏の役割は奪えないからね」
『あーはい出た出たごめんって』
「だがお守りは嬉しかったよ」
『なんだろうね、やっぱり記憶は完全に消せないんじゃないかな』
高校1年生の時の大変だった時の記憶を思い出していると冷たい風が吹く
はぁ、と苗字が手に息をかけると、赤司が立ち止まり手を差し伸べてくる
「手」
『て?』
「繋ぐくらい、いいだろう」
『…ああ、はい』
「…名前の手は、冷たいね」
『昔もそんな会話したよ。心があったかいとかどうとか』
当時を懐かしみながら話しているとあっという間に懐かしいと思える家に着てしまった
名残惜しい気持ちはあるがカラフルな彼らとの約束を守らねばと鍵を探していると、予想外の言葉が赤司から投げられる
「上がっていいか」
『…は』
「1つだけしたいことがあるんだ」
両親は今日実家の集まりへ行くと言っていたので家には誰もいない
絶対そういうことではないのだが冷たかった手が熱くなるくらい全身に血が回り、心臓の動きも早くなる
『ド、ウゾ』
上擦った声に赤司も笑う。暗い家の電気を点灯させ、彼を上げた