第22章 おでかけ
『何で1番前空いてんの』
「今日の主役の苗字に空けておいてやった」
「1番前に座ってた名前ちん面白かったもんね~」
「名前ちゃん隣座ろー!」
『覚えてなくていいことを覚えてやがって…さつきの隣座る…』
「真ちゃん、眼鏡は外したほうがいいぜ」
「当たり前なのだよ」
ニコニコと楽しそうな桃井の隣の1番前に座り安全バーを装着する
動き出すまでの時間、それぞれの心臓の動きが速くなるが、それが楽しみなのか緊張なのか、恐怖なのかはその人それぞれである
「名前ちゃん、顔強張ってるよ」
『そりゃあそ、う、わ』
喋っているとコースターが動きだす。見送ってくれるスタッフが手を振ってくれるが振り返す余裕はまだ持ち合わせていない
ゆっくりとどんどん上に登っていくレールはどこまで続いているのか、急に落ちることだけ覚えていると当時の記憶を主出していると、先のレールが見えなくなった
『あ』
そんな間抜けな声と共に急降下していく状況に、先頭の桃井と苗字は悲鳴を上げる
緑間の顔は強張っているが悲鳴は上げずになんとか耐えているようだ。赤司と黒子、紫原は楽しそうにしているものの他メンバーに比べ表情に出ておらず、そのまま1回転する
大笑いしている残りのメンバーに苗字はどこが楽しいんだと思いながら、最初にいた乗り場になんとか戻ってきた