第21章 おかえり
「ところで聞きたかったんだが、黛さんの傍にはどうやっていたんだい?」
『黛さん?あたしが聞きたいんだけど、黛さんとあたし接点あった?』
「…そうか」
『ああでも、お昼いつも1人だった記憶というか知識はある。先入観あるかもしれないけど』
ただ藍色の時に元の世界の知識というものはなかった気がするが、黛が昼1人で食べていることをウィンターカップ準決勝の際に思い出している
京都に行く時の黛の言葉を彼女は気になっており、その帰りの新幹線で赤司と黛が話していたことも、苗字は覚えている
『あたしの知らない記憶があるってこと?』
「ああ。オレが1年生の時のインターハイ前、黛さんの近くに誰かがいた
見えなかったが、緑間のように離れてシュートを決め、オレには名前を教えてくれなかったよ」
『喋ったの?』
「見えなかったから筆談した。オレンジ色の髪をした女性と分かったよ」
『緑間みたいな3P打てるオレンジ髪の女性なんて他にどこにいんのさ』
そうなるとなぜその記憶が消されているのかが不思議になってくる。赤司と苗字で話すが、当たり前に答えは分からない
それから彼は一向に帰ろうとしなかったので、名前から流石に日付変わってしまうから帰れと指示する
少し不服そうではあったが、寝不足だからと言って彼は自宅へと帰っていく
翌日、念のため検査を行い外傷や怪我もなかったので退院することになる