第21章 おかえり
「ところで名前っちはオレ達が奮闘してる間何してたんスか?」
『わかんない、寝てたと思う』
「どこで~?」
『えー…なんか特殊環境?かなあ。よくわかんない…』
立ったままそんな話をしていると彼女は気づく。そういえば今化粧していないと
中学生の頃は毎日そうだったんだから今更気にする必要もないのに気になってしまう
その気持ちをなんとか押さえ込み、立ったままもなんだと彼らはソファや丸椅子に座り会話を始めた
「そういや赤司、なんでオレに苗字がいるとこ送ってきたんだ」
「ああ、あれかい」
「言われたとおりに向かったら本当に苗字いたからマジ驚いた…」
「えー!それならオレ迎えに行きたかったっス!」
『…最初黛さんが見つけてたから、それで征十郎に連絡行ったんじゃないの?』
「名前の言う通りだよ」
「なんで黛さんが名前ちゃんの居場所知ってたの?」
「そこまで詳しくは来てないな」
赤司が彼とのトーク画面を見るが、苗字がここにいるというメッセージと位置情報を送ってきているだけだ
お礼に対しても既読無視。いつものことなので赤司は気にしていない
『なんか、犬に聞いたって言ってた。多分あの2号だと思う』
「あの黒子そっくりの犬のことか?」
「今日2号なら木吉先輩の家で面倒見てもらってるはずですが…」
「いや、喋るんだあの2号」
「…ついに頭おかしくなったのか火神、犬は喋んねぇだろ」
「だー!知ってるわ!!青峰に頭おかしいとか言われたくねーよ!!」
『いや本当。喋る。夢の中でだけ』
喋る2号の話で盛り上がるが会ったことがあるのは苗字と火神の2人だけ。嘘をつくことはないだろうともちろん皆彼らの言うことは信じていた
そこから雑談をし、気が付けば良い時間になる。苗字が流石に元旦だから帰れと促す
泊まると騒ぐ黄瀬もいたが丁重にお断りし青峰と紫原に引きずってお持ち帰りいただいた