第19章 大晦日
その後ゲームセンターでフリースローゲームを行った
火神の命中率は悪くないが、緑間ほどうまく入らない。対して苗字は火神より打ってる本数は少ないものの素晴らしい精度でゴールを決めた。いつもの謎な状況である
結果としてはゴール数は火神が、精度は苗字が勝っていた。火神が「ダンクしてえ」とぼやいていたのを苗字は聞き逃さなかった
太鼓を叩くゲームや兄弟でカート対決するゲームなど、他にもいろいろあったが特にゲームは行わなかった
たくさん並んでいるUFOキャッチャーを見ていると、1つ苗字の目を引くものがあった
『待って火神君!これやりたい!』
「ああ、なんだその赤い犬」
『リスだよ火神君』
積まれた動物のキーホルダーの中に、赤いリスのマスコットがあった
なんだかご飯を食べている時の火神を思い出してしまい欲しくなる
『やってもいい?』
「これくらいなら簡単にとれんじゃねえの?」
『言ったね火神君』
「やってやるよ」
そう言って火神はお財布から100円玉を出し機械に入れる
掴みは良かったが、思ったよりも弱かったアームは穴に落ちる前に落ちてしまう
だが元々あった位置より近くなったリス。火神は追加で100円玉を入れる
そんなことを繰り返しあと1回で1000円になってしまう瞬間、穴にリスが落ちる
「おっしゃ!」
『やったあ!ありがとう火神君!』
「意外とかかっちまったけどな」
落ちたリスを取ろうとするとその手前に青いネコがいた
とりあえず2つとも手に取り火神に見せる
『なんか、もう一匹落ちてた』
「さっきなんかリスじゃねえやつ引っ掛かって取れてたな」
『じゃあ火神君2個取ったってこと?すごいね』
「たまたまな、持っとけ」
『うん、ありがとう』
取れたリスを火神の横に並ぶように持つ。今は似てないが、ご飯を食べているときは本当にそっくりだ
思わず笑って、彼女は大事そうにカバンにしまいゲームセンターを出ていった