第18章 ウィンターカップ 後編
犬や子供撫でるかのように苗字の頭を撫でる青峰。撫でられている彼女はまたも泣いている
力なく青峰を叩いていたが、1発本気で殴った。そして青峰が倒れる
そこに飲み物を持った黒子が現れ、訳の分からない状況に首をかしげる
「…なんで青峰君倒れてるんですか」
『殴った』
「それは仕方ないですね」
『認めんのかい』
涙をぬぐった彼女は溜め息を吐いて、青峰を起き上がらせた
見ている状況で、毎回彼女は泣いている。一体何で泣いているんだろうと疑問に思うが考えているうちに眩しい光と頭痛が襲う
「名前ちゃん!」
「おい、大丈夫かよ」
眩しい光が収まると元の夜の時間に戻る。目が追い付かないが、段々と慣れてきて視界が見えるようになる
苗字の視界に青峰と桃井の顔でいっぱいになっている。隣にいた桃井がとっさに支えたが、支えきれず青峰が抱えたようだった
『…さつきちゃん、青峰君、ありがとう』
「おお、大丈夫か」
『大丈夫、ちょっと休めば治るよ』
さすがに重いだろうと青峰の腕から退こうとするが、いまいち体に力が入らない。
桃井がゆっくりでいいよと声を掛けてくれたので、言葉に甘えることにした
「何か、見えたんですか」
『青峰君が頭撫でてきて、倒したところに黒子君が来てた。また、泣いてた私』
「…中学生、でしたか?」
『ううん、私が誠凛の制服着てたし高校生だと思う。あと青峰君は、白いニット?かな着てたよ』
黒子は桐皇戦後のシュート練習の時のだと理解したが、いまいち統一性や発生条件がわからない
倒れるほどの時には、必ずキセキの世代の記憶を見ていることだけだ
『ありがとう、もう大丈夫』
体調が戻った彼女は立ち上がる。苗字の体調が心配なことと、バスケに満足した彼らは各チームに戻った
その翌日の準々決勝、誠凛は強豪校相手に何とか勝利し準決勝へコマを進める
次の対戦相手は赤司がいた洛山高校だった