第18章 ウィンターカップ 後編
「大丈夫ですか」
『うん。緑間君もありがとう。おかげで大惨事にならなかったよ』
「そうか」
「ほんと良かったっス無事で」
「オレのお菓子無事じゃない」
「封開いてないんスから無事っスよ」
顔色もすっかり良くなった苗字が彼らのやりとりを見て、ふふと笑いながら立ち上がる
『またなんか、見えたんだ』
「見えた?」
「見えたってなんスか?」
『黄瀬君と海常の試合見に行った時と同じやつ、あの時も似たような感じだったでしょ?』
確かに見えた時彼はその場にいなかったが、説明すればわかったようだ
話がわかったようなので、彼らに見えた内容を説明する
『私と緑間君と黄瀬君、黒子君がいた』
「ここで〜?」
『なんでか私ここで髪切ってた。それで泣いてた』
彼らはなぜ泣いていたのか詳しいことを知っているが、彼女には今火神という存在がいるので言えなかった
『あと緑間君からヘアピンもらってたよ。ラッキーアイテムだって』
「…ああ、渡したな」
『じゃあ私の部屋にあるあの箱には、みんなから貰ったものなのかなあ』
以前見た黄瀬のピアスと一緒にしまわれていたヘアピンを思い出す
そのほかにもネクタイやリボンなど、思えば彼らの人数分入っていたのだ
「…オレは~?」
「紫原っちあの時いなかったじゃないスか」
「えーオレも出たい」
『次回に期待かなあ』
記憶とは違いほのぼのした空気が流れ、そこから雑談を交わし、彼らは解散をした
キセキの世代がいた各校はシード校含め、全校が2回戦進出を決め、翌々日行われた2回戦も危なげなく突破する
そして迎える3回戦、誠凛は紫原のいた陽泉高校とぶつかることになった