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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《4》

第4章 目覚めた彼女




赤司はもしかしたらまた自分達だけ彼女の事を覚えているのかもしれない。と不安を抱きながら「名前の記憶が、変わっているようなんです」と小さく言って、雪の目を見開かせた




「…記憶が、変わっている?」


「はい。先程名前が小学校中学校が女子校だったって言っていて…あとオレの事も黒子の事も忘れているようで…」


「そう、なのね…ありがとう征十郎君、教えてくれて」


「いえ、礼を言われる程では…」


「そう言えば、さっきナースコールが来た時に黒子君に連絡しておいたから、もう少ししたら来ると思うわよ。ウチから迎えの車も出したから」


「ああ…だから来るのが遅かったんですね」



納得したように赤司が微笑むと雪は「ちょっとここで待っててちょうだい」と彼に言った後、「名前ちゃんの事…あの子達が来たら説明しておいてくれるかしら」と彼に問い掛けた

すると赤司は少しキョトンとした顔をしてから「はい…」と少し辛そうな表情をして返事をした

そんな彼女が中に入って看護師からある程度の処置をされた事を確認すると、近くの椅子に座って、身体の方の確認をし始めた

聴診器を当てたり、怪我の具合はどうかと質問をしたりした色々した後、雪は彼女の記憶が違っていることだけが唯一の問題点だと判断したようだった




「記憶障害…かしらね」


『記憶障害?』


「恐らくだけど一部分だけ記憶が現実の、本当にあった事と違っているの。例えば…征十郎君から聞いた話だけど…記憶が、違うんですって?」


『…えっと、私…どこの学校に通ってたんですか?』


「帝光中学校…だけど、名前ちゃんの記憶では違うのよね?」


『女子大附属の小中学、高校で…大学は…別の…』


「私の事はわかる?」


『…私を、育ててくれたお母さん』


「…つまり、小学校から、今まで…つまり征十郎君と出会った辺りから違うの…ね」


『…そうなんですか?』


「ああ、そうよね。分からない…わよね」



ふわりと微笑んだ雪の悲しい笑顔に、彼女は少し罪悪感を覚えながら布団を握りしめた






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