第4章 目覚めた彼女
『そっか…友達…』
「ああ、入院したと聞いてね。一応小学校からの付き合いなんだが…」
『小、学校?』
「覚えてないかも知れないが、小学校と中学校は同じで…『違う』」
赤司の言葉を遮った苗字は「私、小学校と中学校、女子校だった…」と返して、彼の目をまた見開かせた
ナースコールを押してからほんの少ししか経っていないのに一気に色んな現実を突き付けられた赤司の手には少し血が滲んでいて、痛々しさを見せていた
そんな彼の後ろのドアが開き、まず最初に彼女の母親である雪が心配そうな表情をしながら焦って入ってきた
「名前ちゃん!!」
『おかあ、さん』
赤司が先程落としたままにしてしまった枕につまづいた彼女はちょっと照れながら枕を拾ってローテーブルに置き、苗字に「良かった…目が覚めて」と笑った
そんな笑ってる彼女に赤司は「雪さん…ちょっとお話が…」と言ってから苗字に備え付けの冷蔵庫から水やジュース、お茶等を出して「喉が渇いてたら飲んでくれ」とテーブルに置いた
そして雪を連れて廊下へと歩き出し、大体のことがわかった雪は少しの間看護師に任せると言って廊下へと出た
「…名前について、です。さっき枕を取り替えようと思って枕をとってから、交換してもらって戻ったら…目が覚めてたんです」
「ええ…枕落ちてたものね、つまづいちゃったわ。恥ずかしい所見せたわね」
「すみません…で、本題はここからなんです」
「…目の色の事、かしら?あの子不思議よね…目の色がちょくちょく変わるんだもの
毎回一応検査をするんだけど何も問題なくて…何が原因なのかしらね」
そう少し懐かしそうに語る雪を前に赤司は少し苦虫を噛んだような表情をしてから「…いえ」と言って、話を始めようと覚悟したようだった