第18章 ウィンターカップ 後編
2ゲーム目が終わったとこで黄瀬からメッセージが届く
試合終わったからよければ会わないかという内容だった。確かに誠凛の今日の試合は終わっているし、あのボーリング以来彼には会えていない
『黒子君、良ければ黄瀬君に会いにいかない?』
「黄瀬君に?」
スマホを開いた黒子にも同じメッセージが来ていたようで、彼も一緒に行くとついてくることになる
その一方苗字と会う約束を取り付けた黄瀬は鼻歌を歌いながら歩く
応援で喉が渇いたので自販機に寄ると、見知った緑の髪の彼がお汁粉を買っていた
「緑間っち!なんで返事くれないんスかー!!」
「黄瀬か」
「オレ今日試合があるみんなに連絡したのに…」
「気づかなかったのだよ」
「てか相変わらずお汁粉好きっスねえ、体育館にお汁粉おいて売れるんスか?」
「知るかバカめ」
「雑談っスよー…てか緑間っち暇なんスか?」
「暇じゃないのだよ」
「えー、一緒に名前っちに会いに行こうと思ったのにー」
「苗字に?」
「そうっスよ?」
そう言えばついてくるだろうとわかっている黄瀬はニヤリと意地悪そうに笑う
スポーツドリンクを買い、行くとも行かないとも言わない緑間の背中を押して歩きだす
自発的に歩き始めたところで押すのをやめ、横に並んだ
「秀徳、やっとウィンターカップ出られたっスね」
「ああ、あと1年早ければな」
「運営もよーやく分かったんじゃないスか?インターハイ優勝校と準優勝校を出す大切さが」
「まったく、気づくのが遅いのだよ」
そうして彼は思い出す。去年のリーグ戦の苦い記憶を
今思い出してももやもやする気持ちを抱え歩いていると、1年生のウィンターカップの際に赤司から指定された場所へと辿り着いた