第17章 ウィンターカップ 前編
「黒子センパイなんすかその頭!」
「起きるといつもこうなっているんです」
「夏の合宿はリーグ戦の前で行けなかったからな、1年生は今初めて見るわけか」
「オレらはもう慣れたな」
昨晩と同じ笑われている黒子の向かいの席かつ火神の隣の席が空いていたので挨拶しながら通り抜け席に座る
『おはよう、黒子君、火神君』
「おはようございます」
「おはおう」
『口に入れたまま喋るの良くないよ火神君』
昨日よりご飯の量が減らされている朝食に手を付け始めようとしたところで、相田から聞いた昨日黒子と火神が面倒をみてくれたことを思い出し彼らにお礼を言う
『ごめんね昨日。寝ちゃったみたいで。運んでくれてありがとう』
「おう、気にすんな」
「夜はいつもあんな感じなんですか?」
『ううん、赤司君と京都行った時以来かな。あの時もすごい眠かったんだよね』
「そん時も倒れたのか?」
『ううん。なんとか自力で部屋に戻ったけど』
「…自力で?」
『うん、流石に赤司君の手は煩わせられないよ』
笑いながら言う彼女は嘘をついているようには見えないが、赤司の言い分と違うことに黒子は箸を止める
黒子は昨日のような頭痛に悩まされる様子がない彼を確認して安心し、食事を再開した