第17章 ウィンターカップ 前編
翌日、目が覚めた苗字は見慣れぬ天井に一瞬どきりとするが、すぐに合宿に来ていることを思い出す
その直後、自ら布団に入った覚えがなく再び焦り飛び起きたが、壁際にある自分の荷物と相田の荷物
既にきれいに畳まれた1組の布団が目に入り、指定された部屋に泊まっているようで安堵の溜め息をつく
布団から出て支度を始めると、不在だった相田が部屋に戻ってきた
「あら、おはよう」
『おはようございます』
「早いわね、まだみんな寝てるんじゃない?」
『…あの、リコさん私昨日どうやって布団入りました?』
「火神君が運んでくれたのよ」
『火神君が…』
「黒子君も一緒にね、まあ名前ちゃんのことを運んでいたのは火神君だけど」
温泉を出た後喋っていたらそのまま寝てしまったんだと察し、火神に運んでもらえて嬉しい気持ちと申し訳ない気持ちと、重くなかったかが心配になる
表情がコロコロ変わる苗字を見ながら相田が楽しそうに笑う
「大丈夫よ、軽々運んでたわ」
『…本当ですか』
「こんなことで嘘つかないわよ」
相田の言うことを信じたい苗字はそれ以上言及せず。顔を洗い化粧を始める
気が付けば部屋の外がだんだん騒がしくなってきて、彼らが目覚め始めたのだと理解する
朝食の時間、会場へいくとみんなで大笑いをしているところだった