第17章 ウィンターカップ 前編
食事の後、同部屋である相田は明日の練習メニューを考えると日向、降旗、夜木の歴代主将とミーティングをしに出て行ってしまった
温泉に入ろうかと思ったが、部屋で軽く食休みをしてからにしようと座椅子に座りもたれかかる
疲れているところお腹いっぱいになったことにより眠気が襲ってきて、ウトウトしてしまう
気のせいか息が荒い気がすると、ふと目が開けるとまた水色の瞳がこちらを向いていた。しかも目の前で
『は、わ、2号!』
「ワン!」
「すみません勝手に。ノックしたら返事がなかったので倒れてるんじゃないかと心配になってしまって」
『黒子君…ごめんね、寝てただけ』
「倒れてなくて良かったです」
姿勢を直して、2号を膝の上に座らせ頭を撫でる。気持ちよさそうにしている2号を見ていると、黒子が口を開いた
「調子悪いのかと心配になって、話そうと思ったんです」
夕ご飯の時のを見てたんだと分かる。彼の方を敢えて見ないようにして2号を撫でながら苗字が答えた
『なんか急に頭痛くなっちゃって、ごめんね心配させちゃった』
「いえ、無理してないかと心配してました」
『無理はしてないから大丈夫だよ。たまに頭痛くなるだけ』
「…そうですか」
少し寝ていただけで凝り固まった身体を動かし立ち上がると2号が苗字を元気づけるように回り始める
『さて、お風呂入ってこようかな、黒子君は?』
「ご飯の前にシャワーは浴びたんですけど…夜木君に一緒に汗流しましょうと誘われて、ミーティング終わるの待ってます」
『そっか、2号一緒に入る?』
「ワン!」
「2号はオスなんでボクと一緒に入ります」
『えー…そっか』
少し残念ではあるが元々部員の誰かか黒子が2号を洗う予定だったのだ
どうしても入りたいわけではなく、冗談で言った苗字は普通に引き下がった