第17章 ウィンターカップ 前編
その日の帰り道、火神は苗字を送ろうとしたがまだそこまで遅くないし二度手間になるからいいと断った
しかし流石に1人ではと、黒子が送り届けることになる
「じゃあ黒子頼んだぞ」
「任せてください。何かあってもこの力こぶで撃退します」
「不安で仕方ねえ」
『大丈夫だよ火神君、なんかあったら電話するね』
「おう、黒子から離れんなよ」
「じゃあ火神!お邪魔したな!また練習か合宿で!」
「火神センパイ!合宿よろしくおねがいします!」
「ウス、センパイたちも夜木たちも、また」
それぞれ火神にお礼を言って外に出た
みんなと一緒に歩いていたが、ある程度歩いたところで黒子と2人になる
『ごめんね黒子君…1人でも平気なんだけど』
「いえ、何かあったらと心配だったので送ろうと思ってました」
『そんなに心配されることかなあ』
確かに誠凛の練習の時にも暇だったら火神が迎えに、来なくとも誰かしらが家の近くまで送ってくれる
そんなお姫様のように扱ってもらっていいのだろうかと館得ながら帰路を歩く
目の前にストバスコートが現れる。ふと、この間見たばかりの火神のバスケを思い出した
『なんか火神君のバスケ、見たいな』
「火神君だけですか?」
『うん、火神君のバスケなんか目で追っちゃうんだ』
赤司のプレイも目を引いたが、彼のバスケは綺麗だったからだろうと彼女の中で自己完結している
それを知らない黒子は火神との過去のメッセージのやり取りを開き、いつ誠凛の練習に顔を出すかを確認する
「来週、練習の時に見れますよ」
『練習?来るの?』
「もちろんです。ウィンターカップ前なのでオフの日はなるべく行きます」
『それオフになっているのか心配になるよ…』
苦笑いを浮かべている彼女は心配という単語で昼間一瞬見えた光景を思い出す
黒子に話そうと思っていたが周りに人がいたので後回しにし、今の今まで忘れていた