第15章 みんな一緒に
2ゲームを終えスコア表をもらった彼らはボーリング場を出る
出た瞬間に感じる生暖かい空気をごまかすように手で扇ぎながら紫原が口を開く
「ボーリングしたらお腹減った~」
「あんなに食べたのにもう腹減ったのか紫原」
「1ゲーム終わったときからずっとお腹空いたと騒いでいたのだよ」
「火神もな」
「オレは2ゲーム目からだ!」
「ほとんど一緒じゃないですか」
全員が電車に乗って帰るので虹村が時間を確認する
日曜日のため終電が早いがどこか寄れないほど余裕がないわけではない
どこかに入って注文して何か食べるほどの余裕はないが、駅までの道を思い出しコンビニがあることに気づく
「駅行くまでにコンビニあったろ、寄るか?」
「寄ろうよ〜お腹空いた〜」
「オレも寄りてえ、です」
「とりあえず駅向かう途中だから寄りたい奴だけ寄りゃいいだろ」
いざコンビニを前にするとお腹が空いたと口をそろえて言う大きい人たちがコンビニに吸い込まれていく
この暑い中待っているのもと、結局他の皆もお腹が空いたわけではないがつられて同じようにコンビニに入ってしまう
中はとても涼しかった
「名前ちゃんなんか食べるの?」
『ボーリング場が涼しかったせいか外が暑くて、アイス食べようかな』
「たしかに、私は飲み物買おうかな」
とはいえ大きいアイスを食べたいわけではないとアイスケースを見始めると、小さめのアイスがなくて困ってしまう
どうしようと迷っていると陳列されているアイスに影ができた
他の客だろうと、見ても失礼だと考えあえてスルーしてアイスを見ていると声をかけられる