第15章 みんな一緒に
『どうしたの?そっち第4試合まであるんじゃないの?』
「だって!オレだけ会場違うんスよ?!
他のみ~んな同じとこなのに!仲間外れよくないっス!」
「それで2部の試合終わったボクたちの所まで迎えに来て、連行されたわけです」
「ホントは高尾っちも連れてきたかったんスけどねー、第3試合だったんで…」
「テツくん今日勝った?」
「ボクの大学も勝ちました。ボクは今日は出番なかったですけど」
「…シックスマンで、1年生だからな」
「ま、1年でベンチは入れてるだけですげーぜ黒子」
そんな話をしていると、赤司が追加点を決める
現在の点差では追いつくのに残り時間では足りないと察する
「ほぼ決まったな」
「花宮さんもいい動きだけど、赤司君のボール回しすごいもんね」
「ほんと赤司っちの脳と視界見てみてえスわ」
「そんなこと言ったら黄瀬の完全無欠の模倣の時の脳も見てみてえけどな」
「えー火神っちオレの脳の中見たいんスか?」
にやにやと嬉しそうに笑う黄瀬を、青峰と緑間がとんでもなく冷めた目で見つめる
紫原については興味なさそうにチューイングキャンディーをむさぼり食べている
いつぞやのポテトチップスじゃなくなっただけマシなんだろうか
「だれもリョータの脳の中なんて興味ねえよ」
「なんて言ったんスかショーゴ君、ちょっと聞き取れなかったスわ」
「耳ワリーのか?何回でも言ってやんよ」
「はいそこ喧嘩すんなっつの」
灰崎が黄瀬に喧嘩を吹っかけ睨み合いを始めたが、ガッと虹村が2人の頭を掴み仲裁する
「来るときも2人喧嘩ばかりでした」
「昔から仲悪いもんなこいつら」
『小学生のケンカみたいだね…』
すると、試合終了のブザーが鳴り響く
『もう終わっちゃうんだ、なんだか寂しいな』
「何言ってんだ苗字、飯食い行こうぜ」
「もちろん、赤司君も誘いましょう」
嬉しくて苗字の顔に笑顔が浮かぶ。もしかして赤司君が根回ししてくれたんだろうかと考えて、整列している中で目立つ赤髪に目線を向ける
向こうもカラフルな髪を目印に気づいているのか、こちらを見ている気がした