第15章 みんな一緒に
青峰と紫原の試合が始まり、観客の声が会場に響く
試合内容は最強の矛と最強の盾ぶつけたらどっちが強いのかを具現したような試合運び
青峰のチームがボールとったら即攻撃し、だが守りの強い紫原のチームがブロックで奪ってしまう。そんな展開の繰り返し
『どっち応援したらいいか分かんないよ』
「ふふ、どっちも応援すればいいんじゃないかな」
『そっか、そうだよね』
そう言って喋っている間にも試合は展開を見せていく
青峰のシュートが練習の時とは違いキレが凄く、紫原も動きが素早い
先程の試合と同様見応えはすごく、時間というものが無ければずっと見れたかもしれない
試合中盤になった頃、先程試合が終わった2人が現れる
「相変わらず青峰のシュート意味わかんねえな」
「年々投げ方が雑になっているのだよ」
『火神君、緑間君』
「お疲れ様―!いい試合だったね!」
「当然だ。今日のかに座はしし座より順位が上なのだよ」
「順位がオレより上の時でも普通に負けたことあっただろ!」
覚えてないと言いたげな緑間は顔ごと何もない方向へ向け、そんな態度に火神はギャーギャー言っている
様子を見る苗字と桃井はクスクスと楽しそうに笑う
こんなようなことを昔したような気がした苗字から笑みが消えて、思い出そうと意識を試合から思考に移す
「名前ちゃん?」
『…なんか違うんだけど、このやり取りみたいな感じを知ってる気が、して』
「あれかな、さっき言ったWCのリーグ戦の後の」
「黄瀬と高尾がいた時のか」
「テツくんと2号もいたよ!」
『黄瀬君と高尾君と黒子君…?』
思い出せそうな気もするが記憶にモヤがかかっているみたいに出てこない
試合に集中できなくてなんだかイライラしてしまう
そんな彼女の横で桃井はあの時の様子を思い出す。緑間が思い出してくれたあの瞬間を脳裏に浮かべながら青峰に視線を向けた