第15章 みんな一緒に
ポワポワと身長と身合わない優しそうな雰囲気を醸し出しながら、こちらに手を振りながら歩いてくる
「おお、探したぞ花宮~」
「探したぞじゃねえよ木吉!
探したのはこっちだってわかんねえのか!」
「いや行ったら花宮が探しに行ってるって聞いたから迎えに来たんだぞ!」
「お前が集合時間になっても来ねえから探し行ってたんだろうがバアカ!」
「花宮そんな言葉遣いよくないぞ」
「ほんと何なんだお前!」
「何なんだってひどいな花宮、中学からオレのこと知ってるだろ?」
先程こちらを心配してきた彼と全然態度が違う彼の様子と、目の前で起こっているやり取りが漫才のようでぽかんと口が開いてしまう
それより木吉が彼のことを呼んだような気がし、確認のため声に出す
『花宮さん?ですか?』
「おお名前!どうしたんだ迷子か?」
『いえ、飲み物買いに来てて…え、気づいてなかったんですか私のこと』
「そうか、自販機はあっちだぞ」
『あ、もう買ってあります。ありがとうございます』
相変わらずどこかズレている話題をする木吉と同じジャージを着ている花宮はという男に苗字が視線を向ける
すると木吉は誰だか分かっていないことに気がついたのか、花宮の横に立ち苗字に紹介を始める
「名前、こいつは花宮真
オレと同い年で無冠の五将の悪童だった男だ」
「なんだ、そいつ覚えてねえのか」
「なんだよ花宮オレ連絡したろー?」
「もらってねえよ!」
「そうだったかー?花宮が忘れているだけじゃないのかー?」
「オレが忘れるわけないだろ」
「やーすまんすまん」
後頭部を手を回しながら謝る木吉に花宮は舌打ちをする
彼らは仲良いのだろうかと疑問に思いながら「よろしくお願いします」とだけ言い、お辞儀をした