第15章 みんな一緒に
白熱した試合の結果、火神のチームは僅差で負けてしまった
『ああ…火神君負けちゃった』
「ミドリンはかがみんに敵対心すごいからねー、高校の時なんだかんだ本番勝てなくて」
『そう…なんだ?』
「うん。次は大ちゃんのチームとムッくんのチームが戦うから、応援しよ!」
火神が負けたことに対してなんだかモヤモヤする。応援した人が負けてしまったからだろうと自問自答を続ける
出てこない答えが気になってしまい、考えをまとめ答えを出すことに集中したくなった
『ごめん、ちょっと喉乾いちゃったから飲み物勝ってくるよ。さつきちゃんもいる?』
「一緒に行こうか?」
『ううん、さつきちゃんはここで場所取りして待ってて。すぐ戻るから!』
少し強引だったかもしれないと思いながら、会場内の自販機に向かって若干早歩きで進み始める
どうして心がモヤモヤするんだろう。別に不正はなかったと分かっているのだが、何かが引っかかってしまう
考えることを優先してしまいあまり考えずに歩いていると、自販機の前を通り過ぎかけていた
何歩か戻り、自販機を見つめる
『…炭酸とか飲めば、気分転換になるかな』
自分の炭酸と桃井の為にジュースを買って、来た道を戻る
トイレの前に差し掛かった際、急に扉が開いたのでバランスを崩してしまった
尻もちを着くと目の前にジャージを着た男の人が現れた
「すみません。脅かせてまいましたね」
手を差し伸べられたが丁重に断り立ち上がると顔を見られ、「ああ?」と低い声で威嚇される
「お前、誠凛のマネージャーじゃねえか」
『こ、こんにちは…?』
誰だろう誰だろうとひたすら桃井からもらったプロフィール帳を頭の中で順番に思い出すが、いまいちピンとこない
この状況に困っていると、「おーい」と目の前の彼の後ろから救世主が歩いて声をかけてくる