第15章 みんな一緒に
「名前ちゃん!こっちこっちー!」
『お待たせ!ごめんね遅くなって』
「全然待ってないよ!今日会えるの楽しみにしてたんだ!」
『うん。付き合ってくれてありがとうさつきちゃん』
先日話した通り、桃井と苗字で大学バスケリーグの応援に行くことになった
誘った時は来てくれるか心配だったが、杞憂という2文字の通り無駄なことだった
『さつきちゃん、これこの間京都行ったお土産』
「ありがとう名前ちゃん!楽しかった?」
『うん。なんか赤司君の頑固さがよく分かったかな』
「赤司君フェミニストだよね、中学の時からマネージャーの間で王子様って感じだったもん」
エスコートしてもらったことや荷物を持ってもらったことを思い出し確かにと苗字は頷く
桃井は袋からキーホルダーを出して「可愛い~」とうさぎを見つめている
そんな彼女の横で会場に着くまでの間、今日の試合の組み合わせを確認する
『今日は6チームが戦うんだね』
「大学バスケは1部2部って強いチームごとに部があって、総当たり戦なんだよ」
『サッカーのJ1とかJ2みたいな感じかな?』
「そうそう!部ごとに会場が違うから今日テツくんには会えないんだあ…」
『う、ごめんね火神君の応援したいって言って』
「ううん、大ちゃんも応援もしたかったからちょうどいいの!」
「そう言ってもらえると助かる…』
会場に到着し中に入ると火神と緑間の試合が始まる直前のようで、かなり盛り上がっている
なかなか見ることができない2人の戦い、気づかず内に手を強く握っていて、手のひらに汗が滲む
『緑間君、ディフェンス上手いなぁ』
火神と緑間の相性は悪いと黒子から聞いたことがあった。跳躍力が高いから緑間の3Pがブロックされてしまうのだとか
だが3Pだけでなくブロックも紫原ほどでは無いが強い
火神得意のダンクで行こうとすると止められる確率が高くなっていることに気づき、無意識のうちに手を前で握り応援していた