第14章 冒険に行こう
最寄り駅に着く少し前で苗字を起こし、電車を降りる
ホームに降りた苗字は伸びをして、溜め息を吐く
『ごめんね赤司君寄りかかっちゃって』
「疲れていたんだろう気にするな」
『なんかこの会話朝もした気がする』
「そう言えばそうだね」
『赤司君の前で寝てばっかりいて申し訳ないな』
昨日の夜も寝てしまったことも思い出し、頬をポリポリとかきながら苗字は申し訳なさそうに笑う
帰り道を歩きながらなんとなくキセキたちのことを思い出す
赤司と2人でも悪くないが、あの賑やかさがなんだか恋しくなってくる
『次はいつみんなに会えるかな』
「全員ではないが、リーグ戦かな」
『そうだよね…試合会場1つじゃないって言ってたもんね』
当分の間集まれないことに気がついた苗字は明らかに肩を落とす
毎週試合をするのだ流石に試合を放り投げて遊ぼうなんて言わないし、そんなことする彼らは見たくない
「名前、応援に来てくれるかい?」
『うん。全部はいけないけど応援行くね』
「ああ、待ってるよ」
『でも火神君と戦うときは火神君応援するよ?』
「名前の好きに応援すればいいよ。来てくれるだけで十分だ」
『うん、さつきちゃん誘って行こ』
「楽しみに待ってるよ」
『火神君以外はみんな平等に応援するね』
そんな会話をしていると苗字の自宅が見えてくる。赤司の手には先ほど彼女から受け取った鈴がリンリン鳴っていた
預かってもらっていたお土産が入った紙袋を赤司から受け取り、彼女は2日間にわたる冒険を終えた
余談だが、苗字は大学の帰りに火神と桃井に直接お守りを渡し、リーグ戦の前にお守りを渡すことに成功した