第14章 冒険に行こう
駅の中で目立つこの状況に、最後の1人が表情1つ変えずに現れる
「珍しいな。もう全員そろってんのか」
「ちょっと黛さん!どっちか面倒見るの変わってちょうだい!」
「変わるわけないだろ」
「黛さん見てよ八ツ橋のキーホルダー!」
「筋肉つけろ!マッスルパワーがあれば風邪もひかねぇ!」
「何言ってんのひくに決まってるじゃないの」
先ほども同じようなやり取りを見たような気がすると思ったが突っ込なかったが、根武谷の言葉へは実渕がツッコんだ。ツッコまずにはいられなかった
「揃ったから行こうか」
新幹線の時刻も近づいているため不安な葉山を若干引きずりながら改札に入り新幹線に乗り込む
乗るまでの間も葉山が子供のようにどこか行こうとするので、実渕が母親のように腕を掴んで移動していた
「あ~、永ちゃんオレ席窓側が良かったな~」
「今のはマッスル席取りだ!筋肉が足りねえな葉山!」
「え、アタシこの2人の隣座るの凄い嫌だわ」
渋々実渕が通路席に座ることで無冠の3人が並んで座ったため、苗字が往路同様端に座ると行きとは違い黛が隣に座ってくる
短い付き合いだが普段ならこんなことしなさそうだと、様子がおかしいと感じる
『黛さんもお酒飲んでますか?』
「悪いか」
『いえ、確認です』
「名前、大丈夫かい?」
『大丈夫だよ。黛さん怖くないもん』
「どういう意味だ」
「信頼されてるってことですね」
言葉の通り受け取れない黛はいつにも増してムッとしたような表情で赤司のことを見る