第14章 冒険に行こう

一度席に座った黛がなぜか立ち上がり、背もたれの上から前の端に座る実渕に話しかける

実渕は「ええ」と嫌そうな声を上げたが、仕方なさそうに葉山のカバンから何かを取り出し黛へ渡し、再度席に着いた


「トランプするぞ」

「珍しいですね、黛さんが遊びに誘うなんて」

『何しますか？』

「オレはいい苗字、赤司と戦え」


黛からの考えてもなかった一言に苗字は目を丸くする

彼の表情を見る限り、冗談では無さそうだ。背中から汗が吹き出てくる


『…絶対赤司君が勝ちますよ』

「オレはお前が勝つのに賭ける」

『黛さん、やめた方が…』

「へぇ…黛さん、何賭けますか」

「負けたほうが聞かれた事を嘘つかず答える。３回勝負、どうだ？」

「いいでしょう。受けて立ちます」

『……黛さん』


そうして真ん中である黛の座席のテーブルを広げて、彼はシャッフル始める


『2人で出来るトランプのゲームなんてあまりないですよ？』

「神経衰弱やるスペースはないからね」

「ポーカー、交換のみ1発勝負でいいだろ」

『やったことないですよ』

「降りるという選択肢がないってことですか？」

「ああ」

『黛さんなんでそんな自分の首絞めていくんですか…』


黛が切った山を不正が出来ないようにと相手に5枚配る

交換に出したいカードは捨て札として別にし、相手が山から該当数取って渡すという、簡単なルール

1回目は、赤司の勝利だった