第14章 冒険に行こう
食事だけのつもりが美味しそうで追加でデザートまで食べてしまったと反省しながら紙ナプキンで口元を拭いて、食休みの間雑談しようと赤司に話題を振る
『そういえば、大学バスケはどうなの?』
「もうすぐ秋のリーグ戦が始まるね」
『みんな出場する?』
「出場するんじゃないかな、スタメンかは分からないが」
『赤司君も出る?』
「ああ」
『…今更だけど、今日観光して大丈夫?』
「試合の直前に詰めすぎるのもよくないからね、元々実渕達と約束していたんだ。気にしなくていいよ」
確かに休みを取っているのは彼自身だしと、試合直前にも関わらず連れ回してしまっていることへの罪悪感を言い聞かせて消していく
ふと火神もリーグ戦に出るのかと疑問に思い、スマホを開いて彼に出場するかどうかをメッセージを入れてみる
返事はすぐ来ないだろうが、暇な時に返してくれるだろうとメッセージ画面を閉じる
『黒子君も同じ学校だから応援行きたいんだけどな』
「スタメンかは分からないが、出場はするんじゃないか?」
『そっか、今度コマ被ったとき聞いてみる』
「あとは黒子なんかとウィンターカップの予選なんか見に行ったら喜ぶんじゃないか?」
『ウィンターカップって高校バスケの冬の大会だよね?』
「ただ、大学のリーグ戦があるから難しいかもしれないが」
『私もマネージャーとして行ったんだよね、そっちも行ってみようかな』
バスケの話題に花を咲かせ、気づいたら日が落ち始めている
長居しすぎたと思い荷物をまとめようとすると、赤司が立ち上がった
「そろそろ行こうか」
『赤司君ここ払うから』
「いいよ。払わせてくれ」
『流石に泊まらせてもらってるし、お茶貰ってるし』
「オレが払いたいんだ」
『…払わせないからね、あ!』
彼は伝票を取ってスタスタと歩いて行ってしまい、強い意思が足りなかったと思いながら彼の後を追いかける
帰りの坂の途中で何度かその話題を振ってものらりくらりと交わされ、スマホから送金しても返されてしまうことになってしまい赤司と小さな戦いになっていたのは別の話