第14章 冒険に行こう
参拝をして、お守りを買うため社務所に訪れる
同じ考えの人が集まっていて、買う訳でもないのに赤司をあの人混みの中に付き合わせるのは少し申し訳ないかなと思う
『赤司君お守り買う?』
「いや、いいかな」
買わずともこの場で彼女を募集すれば集まりそうな感じがすると思ったが、それは喉の奥に仕舞う
『じゃあ、ちょっと待ってて見てくる』
「一緒に行こうか」
『さすがにこの距離で迷子にならないよ!待ってて』
ほんの数メートルの距離、彼を置いてケースに入っているお守りを見る
勉学、交通安全、長寿、厄除、その他もろもろなんでもあるが、やはり1番は恋愛のものだった
『これとこれの2つ、お願いします』
2つを選び、待たせてる彼の元に戻ろうとカバンにお守りを丁寧に入れて、視線を赤司がいる方へと向ける
少し年上の女の人だろうか、話していた
直ぐに会話は終わり女性は一緒に来たであろう人のところに戻っていき、苗字に気づいた赤司は柔らかく微笑んだ
「買えたかい?」
『うん。赤司君、今のナンパ?』
「連絡先を聞かれただけだよ。断ったけどね」
『縁結びの神社なのに断られちゃったんだねあの人」
「神様に申し訳ないことしてしまったかもしれないね」
軽い冗談に赤司が冗談で返してくる、2人でくすくすと笑いながら先程の女性に目を向ける
彼へも本気ではなかったのだろう。笑いながらツレの女性と話しているのが見える
どこか彼女の心の奥で動悸が大人しくなるような気がしたが、それはきっと暑さのせいだと心のどこかで思い込んで縁結びの神社をあとにした