第14章 冒険に行こう
赤司にガイド顔負けの案内をされ、気づけば本堂を出ていた
左の方に鳥居がたっているのが見え、縁結びを謳っているのが一目見てよくわかり、気になって赤司に問いかける
『あそこ、縁結びの神社?』
「有名な所だね。行こうか?」
『うん。ちょっと気になる』
境内に入ると女性の割合が多く、人がそこそこいた
さらに階段登ってすぐに石があり、それを目掛けて反対側から目を瞑った人が歩いてくる
なにかと思い首を傾げていると、赤司が彼女に教える
「恋占いの石かな」
『恋占いの石?』
「あの石から石へ目を閉じた状態でたどり着くことができれば恋が叶うと言われているんだ」
確かによく見ると反対側にある石のそばにある、木で出来た案内板が同じことを説明している
「やりたいなら行こうか?」
『いや、大丈夫…それに』
火神君がいるし。と言おうと思ったがなんとなく口を噤んでしまう
彼からちょこちょこメッセージは返ってきているが、今こちらから送ったことに対しての返事はまだないのを思い出す
大した内容でも、急ぎの内容でもないのだがと別のことを考えていると、赤司がまた懐かしそうに語り出す
「ここも、皆でやったな」
『そうなの?誰かたどり着いてた人いた?』
「大体たどり着いていたかな。名前は…好きな人も願い事もないからとやらなかった、かな」
『…無欲なの?私』
「そんなことないと思うが、どうだろうね」
『赤司君は辿り着けたでしょ?』
「よくわかったね」
『ふふ、だって気配切りとか出来そうだもん』
「どういう意味だ?」
『なんでも出来そうってこと』
皆でやったということは赤司もやったのだろうと推測したが、彼が失敗するところは想像がつかなかった