第14章 冒険に行こう
眩しい光が目にあたって、朝だと気づく
目を開くと見慣れない天井に少し驚くが、すぐ赤司の別邸に来ていることを思い出した
『こんな寝たの久しぶりだぁ…』
スマホで時間を見ると、ニュース番組は終わった時間を表示している
予想外の時間に「赤司君の別宅で寝坊かぁ」と呟きながらドアを開け化粧のため洗面台に向かった
着替えと化粧を済ませてダイニングへ行くと赤司が1人で昨日の読書の続きをしているところのようだ
「おや、おはよう名前」
『おはよう赤司君。ごめんね私寝過ぎちゃった』
「遠出したから疲れたんだろう。朝食食べるかい?」
『うん。少し食べようかな』
「用意するよ」
『え、自分でやるよ』
しかし赤司は返事を聞かずキッチンに行って調理を始めてしまう。手伝うと申し出たが丁寧に断られてしまったため、大人しく座って待っていると甘い香りと共にフレンチトーストが出てきた
絶品のフレンチトーストを食べ終わると待っていたのか赤司が口を開く
「今日どっか行きたいところはあるかい?」
『特にないかな、赤司君が用事あるなら1人でどこか行ってくるよ?』
「オレも特に用事はなくてね、良かったら出かけないか?」
『赤司君と一緒に?』
「ああ、少し観光でもどうかな」
『嫌じゃなければ、ぜひ』
赤司の別宅に1日いるのもさすがに迷惑かと考え、返事をした彼女はすぐに火神に念の為の報告メッセージを入れる
「混んでるだろうから、そんなに回れないだろう。行きたいとこはあるかい?」
『え、選んでいいの?』
「オレは高校生の時に色々回ったからね」
『急に言われると困っちゃうなぁ…京都って言われると清水寺とか、金閣寺とかの有名なとこしか出てこないよ』
「いいじゃないか、行こう」
赤司は立ち上がり、すっと彼女が食べ終えた皿を持って行ってしまう
食べたお皿をスマートに持っていったことと、苗字の意見の場所だけに行くのは申し訳ないと、キッチンへ向かう赤司のことを急いで追いかけて引き止める
流石にお皿は自分で洗わせてもらったが、行き先については高校で行ったからと再びやんわり断られてしまった