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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《4》

第14章 冒険に行こう





「もうすぐ迎えが来るから、乗っていこう」

『じゃあ、その間に火神君に電話するよ』


苗字はスマホを取りだしてトーク履歴から火神を探し、見つけると通話のボタンを押す

最後にトークをしたのは新幹線の中で洛山に行くことになった話をした以来、かなり時間が経っている

出るか不安だったが、長いコール音の末に火神の声が聞こえた


『もしもし火神君?ごめんね急に』

「おう、洛山でなんかあったのか?」

『今日赤司君の別邸に泊まることになって、あの、一応、報告?』


なんだか恋人同士のやり取りみたいで、自分で言ってて恥ずかしくなってきたのか頬が熱くなっていく

必死に頬を冷まそうと空いている手をパふタパタと振るが、焼け石に水な気がする


「なんだそんなことか」

『あの、ちゃんと電話で報告したくて』

「止めねぇから行ってこいよ」

『なんか、火神君ならそういうと思ってた』


ふふ、と予想通りの対応に笑ってしまった

どこか緊張していたのか少し上擦っていた苗字の声がいつもの声に戻る

彼女の様子が電話越しで火神も分かったのか、フッと楽しそうに笑う


「戻ってきたら洛山の話聞かせろよ。何番が強いとか」

『みんな強かったけど、分かった』

「赤司によろしくな」

『うん、おやすみ』


耳からスマホを話すと既に通話は切れており、短い通話時間が画面に表示されている


「大丈夫だったかい?」

『うん。赤司君によろしくって』

「気にするほどのことでもないんだがな」


その後すぐに赤司が手配した車が迎えに来た

車の中で今日の急な誘いの謝罪や、楽しかったかなど会話をしあっという間に別宅に着く

部屋に案内されるとダンボールが自宅から届いており、品名に衣服と書いてあることを確認する
ありがたい気持ちを共に仕事の早さに呆気にとられてしまう


「夕食の時間になったらまた呼ぶよ。ごゆっくり」

『うん、ありがとう』


ダンボールを開封すると圧縮袋に入った苗字自身の服、サイズピッタリの新品の下着が入っていてなんとも言えない気持ちになる

恐らく雪さんか誰かが詰めてくれたのだろう


『こういうのをシゴデキって言うんだろうね赤司君』


新幹線の中での真剣なスマホへの視線は、これだったのだと理解した





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