第14章 冒険に行こう
監督の挨拶で練習は終了し、自主的に練習する人と帰宅の準備をする人の2択に分かれる
卒業生である彼らは自主練習には参加せさず、来た時の服に着替えて体育館の前に集まった
「さーて帰るか」
「帰るって言うか寮に行くだけだけどな」
「じゃあまた明日な赤司」
「ああ、また明日」
「苗字さんも、気をつけて帰ってね」
『はい。また明日』
4人は挨拶をすると、自主練習をしない部員と一緒に寮があるであろう方向へ話に花を咲かせながら歩き出す
ノリと勢いで着いてきたため宿のない苗字が内心焦っていると、唯一残っている赤司が話しかける
「名前、差し支え無ければ最初に言った通り別邸に泊めるが」
『え、気使わせちゃうしホテル泊まるよ』
「じゃあホテルを取ろう。どの辺りがいいかな?」
『ええ、いいよ!私そこら辺のホテル探すよ!?』
「オレが誘ったんだ。出すよ」
『いや着いてきたの私だし…』
「洛山の後輩も喜んでいたしな、お礼と思ってくれれば」
そうは言うが夏休みかつ観光地の京都でホテル代は平月より高くなっているだろう
それに着いてきたのは苗字自身なのに、ホテル代を出してもらうのはなんだがモヤモヤしてしまう
『最初の通り、赤司君の別邸泊まってもいいかな?』
「オレは全然構わない。名前が不安ならオレがホテルに泊まるよ」
『本末転倒だよ。それ』
「火神は大丈夫なのか?」
『ちゃんと連絡する。赤司君の家の別邸なら鍵だって付いてるでしょ?』
「無論着いているよ」
一応年頃の男女がひとつ屋根の下に泊まるのである。そこら辺は気にするのが当たり前だ
体育館の周りにいる人がだんだん少なくなって行くが、2人の会話が聞こえた外野は気になってなかなか帰れない様子だ