第14章 冒険に行こう
ほぼ総当たり戦となったゲーム、これで最後のチームだと思いふと窓の外を見ると日も落ちて、外が真っ暗になっていた
途中在校生同士の試合や、選手交代で休んでいるものの試合を行っている彼らは疲れてるように見える
「レオ姉ナイッシュー!」
「…ええ」
実渕のシュートはリングに若干当たっていた
葉山のドリブルも、根武谷のゴール下勝負も、黛のパスも最初に比べてキレがない。もちろんそれは、赤司のプレイも一緒
在校生はゲーム数が少ないためキレがあり、点差にほとんど差がない
『赤司君、がんばれ!』
考えるよりも先に出てしまった自分の動作に頬の温度が高くなっていく
応援された彼も珍しくきょとんとした顔をしていて、少しだけ幼く見える
それも一瞬で、すぐに意識をボールへと戻しパスボールをスティールする
「赤司ナイス!」
ボールを拾った葉山がドリブルでそのまま相手を交わし、手を上げる黛にパスを出す
そのボールは受け取られずに、方向転換し実渕へ回される
「いいボール回すじゃないの」
軽々と飛んでシュートを撃つが、相手のシューターの指が擦りボールがリングに弾かれる
ゴール下の彼は、すでに準備に入っていた
「マッスルゥー…リバウンドォ!!」
根武谷が弾かれたボールを掴み、ダンクでゴールを決める
実渕はやれやれといった顔で永吉の方へ小走りで向かいながら攻守交替に備える
「アンタのそれ相変わらず暑苦しいわよ」
「永ちゃん3年間辞めなかったんだから今さら変えんの無理に決まってんじゃん」
「同感だ」
「このほうが力入んだよ」
その後在校生チームが攻めている間にゲーム終了の笛が鳴る。もちろん結果は卒業生チームの勝利
最後にストレッチと片付けをし、今日の練習は終了だと白金監督が指示を出していた