第14章 冒険に行こう
練習も佳境に入って来た頃、赤司が白金監督に目線を配る
合図を受け取るとコクリと頷いて、1度休憩だと指示を出した
苗字がドリンクやタオルを配っていると、あっという間に休憩は終わってしまう
タオルを回収したたみ直そうかと考えていると、赤司が全体の前に立った
「さて、せっかくだしゲームもやろうか」
「おっしゃー! オレと戦いたいヤツからかかってきなー!」
「普通ウィンターカップに向けてレギュラーメンバーだろ」
「全員とゲームやりゃいいだろ!」
「そんな体力あんのアンタだけよ」
「えー!レオ姉大学入って体力落ちたんじゃない?」
「なんですって?」
葉山と実渕のお説教と言うべきか、じゃれあっているというべきか、その様子に苗字はクスクスと笑ってしまう
こういうやり取りは、全バスケ部共通なのだろうか
どこのバスケ部を見ても見たことがある光景な気がしてしまう
「名前、オレたちのマネージャーを頼むよ」
『うん、まかせて』
そうは言っても、優秀な彼らにマネージャーなんて本当に補佐しか出来なかった
何回かゲームか終わると、黛がベンチに座る。特に戻る様子もなく、気がつけば在校生ベンチの男の子が赤司のチームに入っている
「なにボケッとしてんだ」
『黛さん、入れ替えですか?』
「幻の6人目は本来1ゲーム出るもんじゃねぇからな。ミスディレクションの効果が切れる」
『たしかに。黒子君も1ゲームはいませんね』
「まあこれはただのサボりだけどな」
『何となくそんな気はしてました』
同じ相手に使う場合は効果が効きづらくなると聞いたことがある気がする
だが今回は在校生対卒業生のプチゲーム。彼が抜ける必要性はあまり感じられない