第14章 冒険に行こう
「彼女は樋口の代わりに来た苗字です」
『苗字名前です。お力にはなれませんがよろしくお願いします』
「白金栄治だ。帝光の監督をやってたと聞いている、サポートを頼むよ」
『頑張ります。よろしくお願いします』
お辞儀をすると、彼はフッと笑ってベンチに戻ってしまう
着替えてくるからと赤司たちロッカーに行ってしまったため、ベンチへ行きマネージャーらしき人物には挨拶をする
赤司より少し背の大きい男の人だった。筋肉の付き方や風格から何となく経験者なんじゃないかと推測した
『邪魔になるかもしれませんが、よろしくお願いします』
「いえ、人数多いので助かります」
『良かったら、ドリンク作ってきましょうか?』
「この人数は重いと思うので僕が行ってきます。恐らくこの後ゲームをするので、スコアボード出してください」
『分かりました』
倉庫の位置を教えてもらい、スコアボードを出すと仕事が終わってしまう
苗字がソワソワしていると、ドリンクを持って戻ってきたマネージャーから、座ってるだけでいいですよと声をかけられる
『そういう訳には』
「邪魔とかではなく、僕が落ち着かないので」
『…そう言われると反論できません』
「何か気になることがあれば声をかけてください」
完全に放置されたが、練習を見始まれば面白かった
誠凛より人数が多いので迫力があり、帝光の選手より動きがよく、ひとりひとりのレベルが高く見応えがあった
なぜか分からないが、1人目で追ってしまう人がいる。赤い髪の彼
「赤司先輩、やっぱり上手いですよね」
『…え』
「目で追ってますよ」
『上手だからかな?』
「無冠の五将の3人も上手ですよ」
『うーん?』
視界をそれぞれに向けると確かに赤司と遜色ないほど上手だ
『身内びいきみたいなものだと思います。
お遊戯会で自分の子どもにばかり目線が行くのと同じじゃないですかね』
「…そういうことですか?」