第14章 冒険に行こう
その後赤司抜きという名のババ抜きの他にもゲームをしたが、赤司が参戦したものは全て彼が勝者となってしまった
ゲームや雑談をしているうちに京都に着き、そこからさらに電車やバスを乗り継いで彼らの母校である洛山高校にたどり着いた
校舎を見ると苗字の心がザワついた
「ここが洛山高校だ」
『…赤司君、私、ここ来たことある?』
「いや、来たことはないが」
赤司の脳裏にふと1年生の時の記憶が思い出される。緑間のようなシュートを撃った、見えない人のことを
男性かと勘違いしていたがもしかしてと黛へ視線を向けるが、彼は知らん顔をする
彼女は勘違いかなぁと言いながら、誤魔化すように頬を人差し指でポリポリとかいた
「いやー!久々の高校懐かしいー!」
「オレのこと知ってるやつもう居ないだろ」
「ハイハイ黛さん、そんな事言わないで。行くわよ」
「オレが育てた筋肉が育ってるといいなぁ!」
「ちょっと、言い方気持ち悪いわよ」
職員室で来校の手続きをすると遠いところありがとうと職員から言われる。新幹線を使ってくる距離なのだ
少し話はしたようだが、苗字のためか早く切り上げ体育館に向かった
普通に扉を開けると視線を浴びるが、彼らは軽く挨拶して体育館に入り荷物からバッシュを取り出し履き始める
バッシュを持っていない苗字には職員室から借りたスリッパを赤司が渡した
「遠いところよく来てくれたな」
「白金監督、お久しぶりです」
「新幹線乗っちゃえば3時間よ?そんなに遠くないわ」
「良ければウィンターカップの為に練習に付き合ってくれ」
「もちろん!そのつもりで来たに決まってんじゃんカントク!」
「オレの筋肉の強さを見せてやるよ!」
「黛もだ。お前のような相手がいつ現れるか分かりかねんからな、頼んだぞ」
「…はい」
見た目は難しそうな人だが、赤司達と話す彼はどこか楽しそうだ
そんな彼の視線がこちらへ向く、何となく苗字の背筋が伸びる感じがする