第14章 冒険に行こう
回り回ってきてようやく1組揃った。揃った手札を捨てて実渕が取ることで彼女の手にあるカードは1枚だけになった
『あ、あと1枚になった』
「えー!赤司オレにもなんかパワー送って!」
「そんな力オレにないよ」
「ビリに罰ゲームつけるか?」
「言い出しっぺの法則って知ってるか根武谷」
彼女の手に残るカードはジョーカー。ババ抜きでは持っている限り揃わないのでゲームから上がれないカード
実渕が引くのを待つしかないと、やる気を見せる苗字の様子見を見て赤司がくすくすと笑っている
「オレが負けたらみんなに好きなお菓子買うよ!」
「罰ゲームなんてなくていいだろ」
「盛り上がんないよ!罰ゲームないと!」
「時間つぶしにやってることだしね」
「みんな大人なんだから…」
「罰ゲームがあるならオレも参加しようか?」
「…赤司が出てもぜってー負けないじゃん」
子供のように頬を膨らます葉山に赤司は笑った。分かってて言っているのだ
そんな楽しいやり取りをしながらまた何回か黛からカードを引いていると、苗字の手元にジョーカーが回ってきた
不思議そうにしていると赤司から「上がりだね」と言われる
『上がり?これババ抜きじゃないの?』
「赤司抜きだからババはペアであるよ!」
『じゃあこれあがりでいいんですか?』
「揃ってるんだから上がって平気よ」
よく分からないまま勝てたとこに喜んでいると、赤司も嬉しそうに笑っていた
ただ単に赤司を抜いているから赤司抜きというゲームだと思っていたのだが、どういう事なのだろうと疑問に思う
「レオ姉から戻ってきた!永ちゃん取っていいよ!」
「いらねぇよ」
「アンタ達そうやって言うからすぐ持ってるってわかるんでしょ!」
「てかレオ姉あと1枚じゃん!」
「これも戦略よ」
「たまたまだろ」
『…赤司君、このゲームのババって何?』
「ダイヤの4だよ」
ルールが分からないままゲームに参加していたが、赤司抜きとはダイヤの4を抜いた上で行うババ抜きのようだった
なぜダイヤの4なのかは説明されてないため分からないが、このゲームの敗者は最後葉山との一騎打ちで根武谷が敗北した
「ほらな、言い出しっぺの法則だ」
「牛丼でいいか」
『牛丼はちょっと…せめて飲み物くらいでいいです』