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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《4》

第14章 冒険に行こう





「初めまして、実渕玲央よ」

「葉山小太郎!よろしく!」

「……」

「ほら、黛さんも!あいさつ! 」

「黛千尋。オレに構わなくていいからな」

『苗字名前です。よろしくお願いします』


一通り挨拶が終わると葉山がキョロキョロと何かを探し始める


「あれ、永ちゃんは?」

「朝食に牛丼食べてから来るそうだ」

「ほんっとに牛丼しか食べないんだから」


呆れているような、怒っているような表情を見せる実渕の横で葉山がまあまあと宥める

赤司が根武谷に連絡しようとしたその時、彼のスマホから着信音が鳴る
その場から少し離れて電話に出て、しばらく話をすると戻ってきた


「永ちゃん?」

「樋口さんが来れなくなったそうだ」

「あら、どうしたの」

「昨日から体調が良いとは言えないそうでね、今日も悪かったらまたにすると昨日から連絡が来ていた
今日も難しいそうだ」

「せっかくの機会なのに~!」


頬を膨らませて残念そうにしている葉山の姿はまるで子供のよう

赤司は少し悩むように顎に手を添えた後、苗字を見て口を開いた


「名前、一緒に行くかい?」

『どこに行くの?』

「京都だ」

『え!京都!?』

「待ちなさい征ちゃん、泊まりなんだから必要なものとかあるじゃない」

「オレの別邸に泊まればいい。必要なものは取り寄せておくよ
予定があるなら今日の夜の新幹線で帰ればいいさ」

『予定は無いけど…私赤司君以外の人と今知り合ったばっかだよ?!』

「赤司の連れってことでいいっしょ、ねー黛サン」

「好きにしろ。オレのこと知ってる部員だってどうせもう居ないんだからな」

「樋口さんの分のチケットが余ってしまうんだ」

「そーよ、キャンセル代が勿体無いから良ければ来てちょうだい」


知り合ったばかりの人が行くとなって嫌と言われるかと思いきや好感的な態度を見せられて揺らいでしまう

今苗字自身が持ってるのも最低限の荷物+本屋での購入物という新幹線に乗ってどこかに行くには不安すぎる装備だが、赤司からの用意となれば恐らく不足な事態にならなそうだと予想ができる


『…じゃあ、お邪魔してもいいでしょうか』

「やったぁ!途中嫌になったら観光行ってもいいからね!」

「嫌になるようなことするんじゃないわよ」





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